町屋紹介

岡家住宅(名古屋市指定文化財・主屋は江戸時代末期と推定)

岡家住宅

主屋の間口は有松の伝統的建造物の中で最大。
軒裏の垂木部分が漆喰で波型に塗られているのが特徴です。これは火の上昇気流を逃す役割があるとも伝えられています。

釜場の壁までもが漆喰で塗られている意匠は、ここ岡家住宅だけで見ることができます。

江戸時代、「丸屋丈助」の名で描かれた小田切春江の錦絵が残されています。

小塚家住宅(名古屋市指定有形文化財・主屋は文久2年(1862年)建造)

小塚家住宅

有松では数少ない卯建(うだつ)のあがる家。
2階のたち上がりが低く防火に対する意識の高さが感じられます。主屋、水屋、表蔵、南蔵、茶室等の絞り商家の特徴をすべて備えています。
また、表蔵の表面木部には桟木が渡り、火消しが鳶口を使って延焼を防いでいたいにしえの消火方法をうかがい知ることができます。往来の旅人が馬を繋いだ「駒どめ」も見られます。

竹田家住宅(名古屋市指定文化財・江戸末期建造)

竹田家住宅

有松絞りの開祖・竹田庄九郎の流れをくむ当家は、寛保年間(1741~1744)より続く絞り商家です。
明治、大正期に増改築されつつも、江戸期の様式をよくとどめています。14代将軍徳川家茂公が立ち寄ったと伝わる茶室「栽松庵」や大正期に茶家が設計した洋室や書院、門、塀など絞り商の典型的な屋敷構えを見ることができます。

中濱家住宅(登録有形文化財・主屋は明治中期頃建造)

中濱家住宅

当初は、絞り商山田与吉郎家の建物であったことから瓦には「山ヨ」の印も見られます。
入口には駒どめ、その東側には手斧(ちょうな)削りの塀があります。
主屋の東側、駐車場となっているところは、藍染など染め場でした。

棚橋家住宅(登録有形文化財・明治8年建造)

棚橋家住宅

当初は絞り商・大井桁屋の建物で、昭和8年からは有松で初の開業医「棚橋医院」でした。
平成25年に耐震を含めて大改装され美しい姿となりました。
梁は16.4メートルもある巨大な松の木で、あまりに大きいので地元有松で切り出されたものではないか、と言われています。

服部家住宅(愛知県指定有形文化財・主屋文久元年(1861年)建造)

服部家住宅

屋号は井桁屋、間口45メートルで、11棟が文化財指定されている大屋敷です。
主屋には卯建があがっております。その他、井戸館、客室、長屋門、六つの蔵です。蔵の名称は店蔵、米蔵2、藍蔵、味噌蔵、宝蔵蔵です。

卯建、塗籠造り、海鼠壁、連子格子と有松の町屋様式の特徴をすべて備えています。
さらに庭のクロガネモチは天明の大火(1784年)にも燃え残ったといわれ、名古屋市の都市景観保存樹として指定されています。

服部良也家住宅(蔵・愛知県指定有形文化財・主屋明治28年建造)

服部良也家住宅

西隣、井桁屋の分家で屋号は井桁一。
明治中期に井桁屋より譲り受けられた。主屋の2階虫籠窓部分は金属製で、これは明治期以降の建物の特徴です。